塚原製作所 加工コラム

【切削加工】A2024とは?A2017・A2014・A2219との違いを加工会社が解説

2026年10月15日

【以前のコラムはコチラ】

以前のコラムでは、代表的な5種類のアルミ合金について、切削加工を依頼する際に知っておきたい違いを整理しました。

今回は、2000系の代表的な高強度アルミ合金であるA2024を改めて取り上げます。

A2024は強度と切削性に優れたアルミ合金

A2024は、銅とマグネシウムを主な添加元素とする2000系のアルミ合金です。「超ジュラルミン」とも呼ばれています。
強度と切削性に優れていることから、航空機の構造部品や精密機械部品などに使用されます。

一方、A5052やA6061と比べると耐食性や溶接性には注意が必要です。使用環境によっては、表面処理や防食方法まで含めて検討します。

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A2024は調質と素材形状まで確認する

A2024で見られる調質には、T3、T351、T3511などがあります。

板材ではT3やT351、押出材ではT3511などが使われます。調質記号は材料の処理状態だけでなく、素材形状とも関係しています。

T3…溶体化処理後に冷間加工を行い、自然時効させた状態
主に板材で見られる調質

T351…T3に追加で引張加工を行い、材料内部の残留応力を低減
加工後の反りや変形を抑えやすい
厚板やプレート材で見られる調質

T3511…T351に棒材や押出材の寸法を整えるための矯正処理を実施
丸棒や押出材でよく見る


溶体化処理とは、アルミ合金を高温で加熱して合金元素を母材中に均一に溶かし込み、その後急冷する熱処理です。

図面に「板材」「押出材」と直接書かれているとは限りません。図面に指定されたJISやAMSなどの規格を確認し、その規格が板、棒、押出材などのどの素材を対象としているかを読み取る必要があります。

同じA2024でも、調質や素材形状、適用規格が違えば、同じ材料として扱うことはできません。

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A2024の切削加工で注意すること

A2024は切削性に優れていますが、薄肉形状や厚板からの削り出しでは、加工後の変形に注意が必要です。

A2024だけが特別に残留応力の大きい材料というわけではありません。しかし、高強度を得るための熱処理が施されていることに加え、厚板からの削り出しや薄肉加工に使用されることが多いため、加工後の反りやねじれが発生しやすい傾向があります。

材料内部の残留応力は、加工によって材料を除去するとバランスが変わります。調質、素材形状、材料の取り方向、加工順序、表裏の取り代、クランプ方法などを確認しながら工程を組み立てます。

A2017との違い

A2017とA2024はどちらも銅を主添加元素とする2000系アルミ合金ですが、A2024のほうが銅やマグネシウムの含有量が多く、より高い強度を持つことが特徴です。

A2017は一般に「ジュラルミン」とも呼ばれ、国内で広く流通している2000系アルミ合金です。
丸棒や板材などが比較的入手しやすく、高い強度と優れた切削性を両立していることから、機械部品や治具、シャフト、ブラケットなど幅広い用途で使用されています。
また、流通量が多いため調達しやすく、納期やコストの面で有利な場合もあります。
そのため、切削加工の現場ではA2024よりもA2017のほうが身近な材料として扱われることも少なくありません。

ただし、A2024はA2017を上回る強度や疲労強度を持つため、航空機部品をはじめとする高い信頼性が求められる用途で採用されています。
同じ2000系アルミ合金でも、成分や機械的性質、適用される規格や用途が異なるため、図面で指定された材質を安易に置き換えることはできません。

A2014との違い

以前、図面にA2014が指定されていたのに、A2024だと思い込んで見積してしまったことがありました。

A2017やA2024はよく見るため、最初からそのどちらかだと思い込んでいると、「A2014」という指定を見落とす可能性があります。

A2014はケイ素(Si)を含むことで切削加工性に優れており、機械部品や治具、自動車部品などに使用されます。加工しやすい材料ですが、流通量はA2017やA2024ほど多くありません。
そのため、日常の加工現場ではA2017やA2024を目にする機会が多く、A2014は比較的なじみの薄い材料と感じることがあります。
しかし、A2014にはA2014として求められる特性や用途があり、A2017やA2024と同じ材料として扱うことはできません。

見慣れない材質が指定されている場合は、別の材質の書き間違いだと決めつけず、まず適用規格、調質、素材形状、入手方法を確認します。

A2219-T851は航空宇宙系の部品にも使われる

航空宇宙関連の試作では、A2219-T851が指定された配管部品を加工したことがあります。

A2219も銅を主な添加元素とする2000系の高強度アルミ合金です。2000系の中では溶接性に優れ、高温や低温で使用される航空宇宙部品にも採用されています。
T851は、溶体化処理後に応力除去のための引張加工を行い、その後人工時効処理を施した調質です。内部応力が低減されているため、機械加工時の反りや変形を抑えやすい特徴があります。

配管部品にA2219が指定されていた理由には、溶接性が関係していた可能性があります。ただし、実際の材料選定には、強度、温度、圧力、使用環境、適用規格など複数の条件が関係します。図面だけを見て、選定理由を一つに断定することはできません。

A2219-T851のように普段あまり見かけない材料でも、航空宇宙関連の試作では指定されることがあります。

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まとめ

A2017、A2014、A2024、A2219は、いずれも2000系のアルミ合金です。しかし、それぞれの特徴や用途は異なります。

・A2017:国内でもよく見かける、強度と切削性に優れた材料
・A2014:高強度材だが、国内の一般流通では見かける機会が少ない材料
・A2024:航空機部品に使われる代表的な高強度材料
・A2219:溶接性や温度特性が求められる航空宇宙部品にも使われる材料


当社では、A2024をはじめとする航空機用アルミ合金について、厚板からの削り出しや複雑形状の切削加工、試作加工に対応しています。

当社の航空・宇宙向け切削加工:
https://www.tukahara-ss.co.jp/aerospace-defense/

保有設備・加工範囲:
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材料の指定や加工方法でお困りの場合は、図面、材質、調質、適用規格、必要な材料証明書の内容と併せてご相談ください。

図面を添付して加工・見積もりを相談する:
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【記事作成時の参考資料】

・Kaiser Aluminum「2024 Technical Data」
https://online.kaiseraluminum.com/depot/PublicProductInformation/Document/1012/Kaiser_Aluminum_2024_Sheet_Coil_and_Plate.pdf

※規格、製造範囲、国内在庫は変更される場合があります。実際の材料手配時には、図面で指定された規格の版、材料メーカーの製造範囲、材料証明書をご確認ください。

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