このコラムでは、弊社が図面を見てアルミ材を注文しようとする時どんなことを考えているかについて書いていきます。
今回はそのうちの前編:スペックを選ぶ です。
弊社では白銅さんのアルミ材を買うことが多いので、白銅さんのアルミ板材について具体例で書いていきます。
名前によるスペックの違い
白銅さんのアルミ板には
・普通の切板
・ハイスペック切板
・YH スーパー切板
があります。
他メーカーさんでも、板のスペックが分かれて名前がついていると思います。
何が違うかというと、厚み公差と平面度です。
例 6061の切板 厚み20mmで比較してみます。
| 名前 | 公差 | 平面度 |
| 61S切板(普通の切板) | 20mm±0.8mm | 記載なし |
| HSハイスペック6061切板 | 20mm±0.4mm | 1000ミリ各以内2.0mm |
| YH61スーパー切板 | 20mm±0.1mm | 1000ミリ角以内0.5mm Ra0.5以下 |
どれもJIS規格は同じです。
価格は 普通<ハイスペック<スーパー切板の順に高くなります。
使い分けの考え方
では、これらをどう使い分けたらいいのでしょうか。
特に指定が無い場合、図面から作り方や公差を見て選択しています。
①ブロックから製品を全面削り出す場合
この場合は素材の大きさのばらつきが多少あっても、削ってしまえば関係ありません。 素材は安いに越したことがないので、普通の切板を使います。(最近の流通在庫はほとんどハイスペック板なので、普通切板が無いこともあります)
②素材面のままで良い製品の場合
上記のYH61、厚み20mmを例にとると、素材の厚み公差が±0.1なので、製品寸法公差以内であれば表面を削らずに済みます。加工時間が短縮できるのでコストダウンできる可能性があります。
素材費の値上がりと加工費の圧縮のどちらが良いかは、素材の大きさと加工内容によります。
③治具ベースとして使う場合
YHを選択します。アルミ板にタップなどで製品を固定する治具の場合、平面度が規格されているので表面を削らなくても良品が作れるか予測できます。
買ったまま、マシンテーブルにクランプして、加工して、治具プレートとして使えます。
④薄い製品で平面度が呼ばれている製品の場合
アルミ板を削って薄い製品を作る場合、平面度、並行度を出すのは実は手間がかかります。
バイスやクランプ治具による締め付けで変形が起きるからです。バキュームチャック等変形させないクランプ方法が必要になります。
YH板の平面度の公差が入るのであれば、そのまま使うことを提案しています。
これでどの板を注文するかが決まりました。次回は切断について書いていきます。
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