塚原製作所 加工コラム

SCM440H(JIS G 4052)について

2025年11月10日

SCM440H(JIS G 4052)にて、600×600、板厚10mmの板ワーク製作を見積しようとした際、
材料調達に関するいくつかの気づきがありました。

※このコラムは弊社社長のつぶやきのため、内容の正確性は保証できません。

材料証明は JIS G 4053 になると言われた理由

SCM440H を板で入手しようと問い合わせたところ、複数の材料メーカー・商社様より
「材料証明は JIS G 4053 になります」
という回答をいただきました。

しかし、今回必要としている仕様は SCM440H(JIS G 4052) です。
最終的に「JIS G 4052」の証明で対応可能な業者が1社のみ見つかったものの、
その場合は 丸棒材から削り出して板材形状とする方法となるため、

●材料費・加工費ともに高くなる
●大きな板寸法は取りづらい


という課題があることが分かりました。

SCM440H(JIS G 4052)と SCM440(JIS G 4053)の違い

材料名称 JIS規格 内容 焼き入れ性 市場で多い形状
SCM440H JIS G 4052 焼入れ性を保証した構造用鋼鋼材 保証される 丸棒が多い
SCM440 JIS G 4053 一般機械構造用合金鋼鋼材 ※保証はされない 板材が多い

JIS G 4052 の鋼材は焼入れ性(内部まで均一に硬さを確保する性能)を保証するため、化学成分の管理範囲が厳しく設定されています。
そのため、製造面・品質面から 丸棒形状が主流となっています。
逆に、板材の市場流通は JIS G 4053 が中心のようです。

SCM440(JIS G 4053)を調質すれば代用できるのか?

SCM440(JIS G 4053)を調質すること自体は可能です。
しかし、4052材のように 内部硬度の均一性を保証できるわけではありません。

そのため、
●強度が部材内部にまで求められる部品
●応力が集中しやすい部品

では、JIS G 4053 では性能が不十分となる可能性があります。

今回の学び

●SCM440H(JIS G 4052)は焼入れ性保証材であり、市場では丸棒が中心である。

●板材を入手しようとすると、材料証明は JIS G 4053 となるケースが多い。

●JIS G 4052 の証明で板材を求める場合、丸棒からの削り出しになるためコストが上がる。

●図面・仕様検討時点で「焼入れ性保証が必要かどうか」を確認しておくことが重要。

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