SCM440H(JIS G 4052)にて、600×600、板厚10mmの板ワーク製作を見積しようとした際、
材料調達に関するいくつかの気づきがありました。
※このコラムは弊社社長のつぶやきのため、内容の正確性は保証できません。
材料証明は JIS G 4053 になると言われた理由
SCM440H を板で入手しようと問い合わせたところ、複数の材料メーカー・商社様より
「材料証明は JIS G 4053 になります」
という回答をいただきました。
しかし、今回必要としている仕様は SCM440H(JIS G 4052) です。
最終的に「JIS G 4052」の証明で対応可能な業者が1社のみ見つかったものの、
その場合は 丸棒材から削り出して板材形状とする方法となるため、
●材料費・加工費ともに高くなる
●大きな板寸法は取りづらい
という課題があることが分かりました。
SCM440H(JIS G 4052)と SCM440(JIS G 4053)の違い
| 材料名称 | JIS規格 | 内容 | 焼き入れ性 | 市場で多い形状 |
| SCM440H | JIS G 4052 | 焼入れ性を保証した構造用鋼鋼材 | 保証される | 丸棒が多い |
| SCM440 | JIS G 4053 | 一般機械構造用合金鋼鋼材 | ※保証はされない | 板材が多い |
JIS G 4052 の鋼材は焼入れ性(内部まで均一に硬さを確保する性能)を保証するため、化学成分の管理範囲が厳しく設定されています。
そのため、製造面・品質面から 丸棒形状が主流となっています。
逆に、板材の市場流通は JIS G 4053 が中心のようです。
SCM440(JIS G 4053)を調質すれば代用できるのか?
SCM440(JIS G 4053)を調質すること自体は可能です。
しかし、4052材のように 内部硬度の均一性を保証できるわけではありません。
そのため、
●強度が部材内部にまで求められる部品
●応力が集中しやすい部品
では、JIS G 4053 では性能が不十分となる可能性があります。
今回の学び
●SCM440H(JIS G 4052)は焼入れ性保証材であり、市場では丸棒が中心である。
●板材を入手しようとすると、材料証明は JIS G 4053 となるケースが多い。
●JIS G 4052 の証明で板材を求める場合、丸棒からの削り出しになるためコストが上がる。
●図面・仕様検討時点で「焼入れ性保証が必要かどうか」を確認しておくことが重要。
