これから2回にわたり、失敗しないリーマー選定のポイントについて述べていきます。
本コラムは前編:サイズ選びの方法 です。
リーマーを使う穴径について
リーマーは、高精度の穴寸法を加工するために使用する工具です。
決められた直径で加工するので、1本の工具で穴径を大きくしたり小さくしたりすることは出来ません。
一般的に直径0.005mm刻みで販売されており、工具の製作公差(0~+0.005)を考慮しながら型番を選定します。
経験上、直径30mmくらいまでがリーマーで加工する守備範囲のように思います。
直径が大きくなると、規格の刻みも広くなり、選択肢が狭まっていきます。同時に価格も高くなります。
直径30mmを超える場合は、ボーリング加工を検討したほうがコスト的には良いかもしれません。
リーマーの選定例
ではリーマーの守備範囲の小径公差穴を加工する際、弊社ではどのようにリーマーの選定をしているのか、具体例を挙げてみていきましょう。
例:直径10mm H7の穴を加工したい(H7公差は10 0~+0.015)場合
多くのメーカーさんからリーマーが発売されていますが、ここでは私が好きな「F.Pゴールドリーマー」で考えてみます。
直径10のリーマーのカタログ番号は【HG10.000】、製造規格は直径10.00 刃径公差0~+0.005です。
つまり、この工具は直径10.0~10.005mmの間の寸法で製作されていることになります。
10.0なのか10.005なのかは、買ってみないとわかりません。
この【HG10.000】で加工すると、大体10.004位になります。(被削材やチャック方式でも多少変わります。おおよそです)
H7の公差(0~+0.015)を狙う場合、ちょっと小さめになります。
10.000のピンゲージで少しきついと感じる程度です。公差外れではありませんが…
ピンゲージの公差も±0.0008mmあるとすると、ピンの個体差で入らない場合も考えられます。
では、1つ大きいサイズの【HG10.005】を使うとどうでしょうか。届いた工具は大体直径10.008くらいになります。
これで加工した場合、10のピンがすっと入り、10.15のピンが入らないようなサイズになります。
つまり今回の例では、【HG10.005】を買うのが無難だという判断になります。
このように、リーマーは工具のカタログ値と製造公差を見て選定します。
補足:航空機部品の場合
航空機の図面はインチ表記がありますので、穴寸法がキリの良い数値ばかりではありません。
例えば9.549+0.015など、中途半端な狙いの場合も、工具径と工具製作公差を調べて選定します。
ピッタリはないので、運よく合えばよいのですが…
そのような場合、弊社ではピンゲージ9.549と9.564の2種類を用意して検査しています。
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