航空機部品には位置度、同軸度、平行度、平面度といった幾何公差が要求されていることが多いです。
責任を持って受注させていただくのですが、「位置度φ0.2なら大丈夫だろう」と思っても、
テスト加工をしたら全然出ない時があります。
原因は加工中に起きる変形です。
特にステンレスの加工では、ここが一番難しいところだと思います。
今回は実際の経験をもとに、
ステンレス加工で変形した時の原因追求と対策についてまとめます。
※このコラムは弊社社長のつぶやきのため、内容の正確性は保証できません。
どこで変形したか突き止める
変形が進行しやすいのは、溝加工、ポケット加工、大口径ドリルなど、負荷の高い加工です。
厄介なのは、切削面が綺麗に仕上がっており、プログラム通りに加工しているにもかかわらず、位置度が出ないケースです。
このような場合、加工工程を追いながら、どの工程で変形が発生しているのかを特定する必要があります。
この工程で明らかに穴位置度にズレが生じている!と発見出来たら嬉しいですね。
次は切削抵抗を減らす方法を検討します。
切削抵抗を減らそう
一見、切削負荷がかかっていなさそうな加工でも注意が必要です。
特に刃先Rが大きいポケット加工などは、内部に応力を残しやすい傾向があります。
切削負荷を減らすための一般的な対策として、
・加工速度を下げる
・切り込みを減らす
・刃先Rを小さくする
・コーティングを薄膜にする
などが考えられます。
加工条件や工具を見直ししながら、負荷を一つずつ減らしていきます。
工程設計の根本的な見直しが必要なこともある
加工条件、加工順番を変えたり、工具を交換したり、多少加工時間が伸びても小手先の対策で何とかなれば良いのですが、
何ともならない場合があります。
そもそもの工程設計が間違っている場合です。
例えば複雑なステンレス形状を5軸加工する場合、
・位置度公差を出したいので、同時加工した
・でも同時加工を成立させるためにクランプ剛性が低くなり、変形してしまった
ということがあります。
このような場合は、
・負荷の高い加工を別工程にする(同時加工を諦め、別の方法で担保する)
・クランプ力UPの為にダブテール加工を追加する
・専用治具でクランプ箇所を増やす
など工程の見直しが必要になります。
経験を積み重ねて早期解決を目指す
加工したらどうなるかを完璧に読み切ることは、大変難しいです。
出来るだけ簡単に早く低コストで加工出来るのか、
コストをかけて急がば回れしないといけないのか。
うまくいかない場合の解決方法を見つけるには、現場で試行錯誤した経験の蓄積が必要です。
ここが各会社の腕の見せ所でもあります。
ぜひ一度ご相談ください
航空・防衛向けの難削材・高精度部品について、
工程設計や公差でお困りの場合は、
図面段階からお気軽にご相談ください。


